買うのは楽だが、捨てるのは一苦労

男は連れの男に目配せをして、大風呂敷に包み始めた。最後にポツンと言った。「この花器くらいが値がつきます」と。
たった1枚のお札を手に、私はぼうぜんとして、玄関のドアを閉めた。

引用:女の気持ち:思い出の値段 東京都調布市・平賀千鶴子(無職・87歳)- 毎日jp(毎日新聞)

自分もつい最近、リサイクルショップへ家具を売ったので、
この記事が目に留まった。


文面からは悪徳業者のように書かれているが、
どこのリサイクルショップも同じようなものだと思う。


業者からすれば、買い取った不要品がすぐに売れるわけではない。
在庫として抱えることになるし、下手をすれば売れずに赤字だ。
回収にかかるコストも考えると、タダで引き取ったところで黒になるとも限らない。


物を処分するのにお金がかかる時代だ。
不要品を買い取ってもらえるだけでもありがたいことだと思う。


「買い取ってもらえるのならば出来るだけ高値で」と思うのが普通だろう。
しかし、自分のものさしだけで価値を推し量っても、記事の女性のように落胆するだけだ。
そもそも、自分が要らないものを他人が喜んで買い取ってくれること自体稀なことだ。


物を買うのはボタン1つで出来るが、処分するのは一苦労。
処分するときの苦労を想像して、物を買う/買い控えるようにすべきだ。