おおかみこどもの雨と雪
観てきた。
映画の途中で涙をすする音が四方から聞こえてきた。
母親の視点で描かれた子育ての葛藤や喜びに共感するお母さんたちの涙だったのだと思う。
途中まで、細田守という1人の男がよくこの映画を描けたなーと思った。
でも、見終わった後は母親に育てられた1人の息子だからこそ描けたんだと思った。
たぶん、女性ではこの話は描けない。
最後に雨が母親のもとから旅立っていくシーンで、
空に向かって力強く遠吠えをする。
細田監督自身を表しているんだろうなーと思った。
それと、この映画は死についても向き合っている。
父親の死、野菜の死、雛の死と、
映画の中で多くの死が出てきた。
死を受け止め、そこから学べというメッセージが、
強くではないけれど、細部から発せられていたように思う。
劇中、花のセリフに「畑を広げなければならない理由が分かりました」とあったけど、
あれはみんなで助け合って生きていくためには、
自分たちのことだけを考えていてはいけないという意味だったんだろう。