就活のバカヤロー
- 作者: 大沢仁,石渡嶺司
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/11/14
- メディア: 新書
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今日,就職活動中の友人とご飯を食べた帰りに,就職活動について話す機会があった.
そこで彼が次のようなことを言っていた.
どの企業も欲しい人物像はだいたい同じで,学生に対して求め過ぎていると思う.
だから,学生もそれに合わせて,やってもいないことを自己PRとして平気な顔で語り始める.
結局のところ,企業も学生も就職情報会社(リクルートなど)に踊らされているんじゃないかなー
こんな風に考えたことはなかったなーと半分他人事で聞いていたのだけれど,ふと中途半端に読み飛ばして放置していたこの本のことを思い出し,帰宅して最後の方を読んだ.
すると,彼の言っていた通りのことが書かれていたあった.
就職情報会社は各企業の情報を載せる「就活ナビサイト」を作り,学生を集める.
学生が集まるということは,企業にとってこれらのサイトは,学生に効率よく宣伝ができる場となる.
就職情報会社はそれをうまく利用し,「うちのサイトに会社情報を載せないなんて,企業が存在しないのと同じですよ」などと企業を煽り,搾取している.
自分で火をつけて,その火を消して利益を得ることから“マッチポンプ”などと呼ばれている.
これらに対して,著者が”おわりに”で言っていたことに共感を覚えたので一部引用.
さらに,「なんのために働くのか?」という問いに対する答えも変質し,それ学生を苦しめているのではないかという声もある.最近は「自己実現」や「仕事を楽しむ」ということをアピールする人事担当者が増えてきたように思う.
(中略)
「仕事を楽しまなければならない,自己実現しなければならないという,一見美しそうな概念自体が,学生や若手社員を苦しませているのではないでしょうか」
(中略)
まずは自立のために働いてみるという,シンプルな原点への回帰が,逆に学生の賛同を得ることになるのかもしれない.
インターン期間中,
(インターンについて思ったことなどは,近いうちに.)
私を指導してくださっていた入社2年目の先輩に
「先輩にとってこの仕事ってどんな位置づけですか?」
という質問をしてみた.
この質問に対して
「この仕事内容でお金をもらえるならやってもいいかくらいの感覚」
だとお答えになった.
とても仕事が出来る人だっただけに,印象的だった.
今までは漠然と
「仕事に対してやりがいを持つのが当たり前」だと考えて,またそれを追い求めていた.
しかし,冷静になって考えてみれば,
仕事をする上で,本当にそんなものが必要だろうか?
働いてお金を稼いで自立できれば,それは十分立派なことではないだろうか?
働く前の就活生に仕事のやりがいなんて分かるだろうか?
という疑問がわいてくる.
しかし,そんなことを面接で言うわけにもいかない.
だからこそ,はったりをかませない就活生はこの矛盾に困惑するのだろうか.