太陽の黒点はなぜ黒いのか?

中学の理科で「黒点は周りより温度が低い」と習うわけだが,
すると「どうして周りより温度が低いと黒く見えるのか?」という疑問が湧く.

「黒い」のではなく「黒く見える」

結論から言えば,黒点は黒くない.
黒点の部分も光を発している.

まわりが明る過ぎるために,そこだけ黒く見えているだけ.
というか,人間の脳みそが黒だと思い込む.
クラス1の美少女も,AKB48の中では大して輝けない.みたいな.

温度と明るさの関係

「黒点はまわりと比べて明るさが非常に弱いため,人間の目には黒く見える」
ここまではよし.
ただし,もともと知りたいことは
「どうして周りより温度が低いと黒く見えるのか?」であるので,
温度と明るさの関係をはっきりさせなければならない.


これに関しては

黒体の表面から単位面積、単位時間当たりに放出される電磁波のエネルギー I が、その黒体の熱力学温度 T の 4 乗に比例するという物理法則.
シュテファン=ボルツマンの法則 - Wikipedia

が適用できるらしい.
(太陽が黒体なのかどうかは怪しいところだけど.)

まとめ

黒点はまわりより温度が低い

まわりより温度が低い=まわりより暗い(発せられるエネルギーが小さくなる)

人間の目には黒く見える

が言える.

以下,てきとーな計算(読まなくてよい)

太陽の表面温度が約6200℃なのに対して黒点の温度が約4200℃なので,
黒点の発するエネルギーは,まわりが発するエネルギーの約0.2倍.
つまり,まわりが発するエネルギーより70,200[kW/m^2]少ないことになる.

特に大きな三つの黒点はいずれも地球サイズ
引用: 朝日新聞デジタル:どんなコンテンツをお探しですか?

とあるので,
仮に黒点を地球クラスの円だと考えると,
70,200[kW/m^2] * 5.10948733 × 10^14 [m^2]
=3.58686011 × 10^19 [kW]


東京電力が発表している今日のピーク時の消費電力が42,600,000[kW]なので,
地球クラスの黒点はまわりと比べて,
東京都の消費電力(ピーク時)の8.41985941 × 10^11倍のエネルギー差があると.


果たしてこれが,黒く見えてしまうほどの差なのかはわからないが...