『告白』
観てきたー
映画の予告編を観ておもしろそうだったので、
原作を読んでから映画を観に行ってきた。
以下、ネタバレ注意。
3つの異様さ
内容そのものは原作に忠実だったのだけれど、それでも飽きることはなかった。
この映画が原作に忠実でいながら自身のオリジナル性を顕著なまでに発揮できたのは以下3つの異様さにあると思う。
- キャストの演技力
- 音楽
- カメラワーク
キャストの演技力
まず感動したのは、キャストの演技力。
個人的に昨今の俳優、女優の演技は観ていて気持ち悪いくらい下手だと思う。
いっそ、演技なんかしないでありのままを曝け出した方がまだマシ。
けれども、この映画に出演していたキャストは違った。
それも中学2年生を演じる子役達の演技が、だ。
彼、彼女らは14,15歳*1
ほとんどが映画初出演、もしくは出演経験が1度あるくらいだ。
そして驚くべきことは彼らの本業は俳優女優ではなく、ジャニーズやモデルだということ。
もちろん、彼らの才能もあるだろうけど、
賞賛すべきはそれを思う存分に引き出した監督なのだと思う。
別に映画に出演するのは人気のある俳優や女優じゃなければいけないわけじゃない。*2
より役に近い人材をキャスティングするべきだと思う。
そういう点で中学生役として彼らを選んだのは大正解。
中でも少年B役を演じた藤原薫という子はすごい演技力だ。
あの歳で、よくもまぁあんなに難しい役を演じきってくれる。
母親を殺した後で魅せる階段での表情、俳優でさえあの顔ができる人はほとんどいないんじゃないかな・・・
音楽
これも異様。
シリアスな場面で明らかにミスマッチな音楽を合わせるところなんかは、『エヴァンゲリヲン新劇場版:破』を思わせた。
カメラワーク
3つの中ではこれが1番際立ってた。
異様というよりは、的確過ぎる。
このシーンはこのカメラワークしかないだろってくらい気持ちよくハマっていて、
だからこそ、完璧すぎるそれが異様さを際立たせていたんじゃないかなーっと後になって思う。
「なーんてね」は必要?
映画のラストは森口悠子の「なーんてね」で終わる。
原作を読んだ人はあれ?と思ったんじゃないかな?
そう、原作にそのセリフはない。
その寸前まで内容に関しては忠実に表現してきたにも関わらず、最後の最後で付け加えられた「なーんてね」。
このたった1言ですべてが90度ひっくり返りそうな、そんな軽々しいセリフが必要だったのだろうか?
付け加えた意図が気になる。
今の中学校について
フィクションなので、さすがにあそこまでひどいクラスはないと思うのだけれど、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100629-00000009-mai-soci - 2010年6月29日 10:36 - ウェブ魚拓
こういう事件が日常茶飯事に起きているので、あながちフィクションではないのではないかと身震いしてしまう。
まとめ
とても完成度が高いので、観て損はないと思う。
買った原作は第6刷で、
追加されていた中島哲也監督のインタビューは読み飛ばしてしまったので、今から読もう。
小ネタ
ちなみにこの作品、R-15指定なのだけれど、
自分の前を小さい子供を2人連れたお母さんが普通に入っていったので、気になって調べてみた。
一般映画制限付 (R)
別名、R指定。15歳未満(中学生以下)の禁止。後のR-15。1979年に導入された。当初は15歳未満は米国と同じく保護者同伴必須であったが、多くの映画館で守られなかったため。翌年に保護者同伴でも禁止になった。
とあるから、保護者同伴でもダメなんじゃないかな・・・
チケットのもぎりやってたスタッフはこのこと知ってたのだろうか?